みなさんこんにちは。
岸和田市別所町のさかもと内科クリニックです。
当院ではお子様からご長寿まで幅広くプライマリケアを実践させて頂いておりますので、
内科・小児科、何れの方でも受診していただけます。
新型コロナウイルスの感染を調べる「PCR検査」に、公的医療保険が適応されるのだそうです。
ならば、その運用、判定の解釈はどのようにすべきなのか把握しておく必要があります。
PCR検査は新型コロナ感染の「陰性証明」になるのか
岩田健太郎・神戸大学病院感染症内科教授に聞く
ヘルスコミュニケーション|Dr.純子のメディカルサロン 時事メディカル
https://medical.jiji.com/topics/1572
という記事が本日アップされていました。
先生は少し前に医療者向けのサイトでも、同様の解説をされていました。
ポイントは一つ、「PCR検査陰性がウィルスの非存在証明にはならない」ということでしょうか。
そこ(人体の喉や鼻腔の奥なり)に菌なり、ウィルスなりが「存在している」ことと、感染症を惹起していることは別であるということなのですが、なかなか非医療者の方には解釈が難しいかもしれないですね。
例えば、溶連菌感染の迅速検査は陽性で症状が合致していれば原因と判定できますが、陰性の場合には除外できないケースがあります。(培養検査に回したら、陽性となるケースがあり得るからです。)
逆に、溶連菌迅速検査が「陽性」でも、無症状の場合、咽頭扁桃に菌が「いる」だけ、という場合があり、溶連菌感染性咽頭炎という感染症を「発症している」ということとは別の話、ということに近いでしょうか。(そもそも咽頭炎症状がない方に溶連菌迅速検査は実施しないので、そういうケースは臨床の現場ではほとんどお目にかかることはないのですが)
そのあたりも踏まえて、今後、対応していく必要があるのではないかと考えます。
岩田先生はその医療者向けのサイトで、武漢の呼吸器専門病院でPCRにより、新型コロナと診断された患者を対象に、PCRと血清を用いた抗体検査(IgM IgG)が行われた研究報告の論文について解説しておられました。
血清による抗体検査が実用化されたら、疫学調査において非常に強力なツールになるだろうと結んでいます。